女性ホルモンの安定や女性特有の不快な症状を緩和すると言うことでヘルスコンシャスな人の間で話題になっているシードサイクリングですが、果たしてその効果は?
この記事ではホルモンバランスを整えるという観点から、シードサイクリングは効果的なのか、シードサイクリングの実践す方法、使用するそれぞれの種の特徴について解説します。
現代社会では、ストレス、運動不足、食生活の乱れ、環境ホルモンなどによりホルモンバランスを崩している方も多いのではないでしょうか。ホルモンバランスが安定すると、身体の調子が良くなるだけではなく、自律神経も安定し心も落ち着くようになるため、ぜひ整えておきたいですね。
これだけ食べればホルモンバランスが良くなるといった食材はありませんが、シードサイクリングであれば食事に取り入れやすいこと、副作用がほぼ無いことから、一つの選択肢として取り入れてみるのも良いかもしれません。
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シードサイクリングとは?
シードサイクリング(Seed Cycling)は、月経周期に合わせて4種類のシード(種):フラックスシード(亜麻仁)、カボチャの種、ゴマ、ひまわりの種、をローテーションで摂取する一種の自然療法です。ホルモンバランスを整えたり、更年期障害を緩和したりする効果があると言われています。
シードサイクリングで摂取する種はホルモンバランスや正常な生理周期をサポートする特定のビタミンや脂肪酸などの栄養素を持っていると言われています。
シードサイクリング実践方法
種は細かく粉状に挽いたものを使います。種は消化が難しいため、粉状にすることでより栄養の吸収率を高めることができるからです。粉状にしたものをそのまま食べても良いですし、スムージーなどに混ぜて食べることもできます。
シードサイクリングは2つのフェーズで構成されています。このフェーズは生理周期に合わせて構成されているため、より理解を深めるために生理周期について軽く触れたいと思います。
生理開始~14日目までの期間は卵胞期、排卵~生理前日までは黄体期です。生理が順調な場合、前半はエストロゲン(卵胞ホルモン)が優位になり、後半はプロゲステロン(黄体ホルモン)が優位になります。これらのホルモンのバランスが崩れると、生理不順、PMS、生理痛、ニキビなどの色々な不調を引き起こします。
卵胞期:(生理初日~14日目)
生理開始日から排卵日前日までの約2週間(閉経後/無月経の場合は新月からの2週間)、粉末状にしたフラックスシードとかぼちゃの種をそれぞれ大さじ1ずつ取ります。
この時期はエストロゲンが優位な時期です。フラックスシードとカボチャの種がエストロゲン生成を助けつつ、余分なエストロゲンの排泄も助けるため、適正なエストロゲンレベルを保持することができます。
・フラックスシード(粉末):大さじ1
・かぼちゃの種(粉末):大さじ1
黄体期(排卵日~28日目)
排卵日から次の生理が始まる前日までの約2週間(閉経後/無月経の場合は満月からの2週間)、粉末状にしたゴマとひまわりの種をそれぞれ大さじ1ずつ取ります。
この時期はプロゲステロンが優位になります。
・ゴマ(粉末):大さじ1
・ひまわりの種(粉末):大さじ1
生理周期が28日ではなくても問題ありません。生理周期に合わせてそれぞれのフェーズの期間を調整してください。
それぞれの種の特徴
シードサイクリングの効能や副作用に関しては、科学的な根拠はありません。
ただしこの4種の種に含まれるリグナン、オメガ3、ビタミンEなどの様々な栄養素は、月経中や更年期によるホルモンバランスの乱れを緩和するのに効果的です。
またホルモンに直接的に影響しないとしても、食事に適量の種を取り入れることは、良質なタンパク質や脂質を摂取できるなどの健康上のメリットがあると考えられています。
フラックスシード(亜麻仁/アマニ)
フラックスシードに含まれるリグナン(植物性エストロゲン)は、身体に状態の応じてエストロゲンの量を調整するサポートをします。更年期などエストロゲン分泌が弱い場合はエストロゲンの生成を助ける一方で、過剰なエストロゲン分泌を妨げる作用もあります。
またオメガ3脂肪酸を豊富に含みます。オメガ3脂肪酸は子宮の血流循環を良くし、細胞膜を健康な状態に保ちます。
かぼちゃの種
かぼちゃの種は豊富な亜鉛を含み、28gで1日に必要な亜鉛の15%が取得できます。亜鉛は生理痛を緩和する役割があると言われています。生理痛が起こる原因の1つにプロスタグランジンというホルモンの過剰分泌がありますが、亜鉛はプロスタグランジンの代謝を抑制する効果があると言われています。
ゴマ
ゴマにもリグナンが含まれます。エストロゲンを増加させるわけではありませんが、プロゲステロンが増加してくる黄体期に、過剰なエストロゲン分泌を抑制する作用があります。また閉経後には血中脂肪、抗酸化作用、性ホルモンの向上を助けたり、ビタミンEの循環を良くするという研究もあります。
ひまわりの種
ひまわりの種に豊富に含まれるビタミンEは、プロゲステロンを増やすという研究があります。ビタミンEは女性ホルモンの分泌を正常化したり、生理不順の改善、月経前症候群や生理痛を和らげる効果があります。
シードサイクリングを取り入れた方が良い?
シードサイクリング(Seed Cycling)の効果は人それぞれです。エストロゲンが少なすぎたり過剰なため不快な症状がある方は試してみると良いかと思います。
ただ全ての食事法について言えることですが、「○○さえすればホルモンバランスが劇的に改善!」といった食事法はありません。
大切なことは、何か新しいことを取り入れてみた時に自分の身体の変化を感じることだと私は考えています。体調が良いと感じるのであれば続ければ良いですし、自分の身体に合わないと感じるようであれば辞める決断も必要です。
また自分のライフスタイルにあっているかどうかもポイントです。毎日の食事にちょっと足すだけで簡単だと感じる人もいれば、生理周期と合わせて実践することがストレスになる方もいるかもしれません。どんなに身体に良い食材でも、無理して食べると総合的には(ホリスティックな観点からいうと)マイナスになりかねません。
ただ多くの種(シード)は栄養豊富。ビタミン、ミネラル、タンパク質、良質な脂質や食物繊維などが含まれます。健康へのメリットが沢山あるため、食事に取り入れるのは1つの良い選択肢になるかと思います。
種を使ったレシピ
かぼちゃの種、ひまわりの種を使ったレシピも合わせてご覧ください。