腎をいたわる食材である小豆、なつめ、クコの実を使った、白砂糖なしで作るお汁粉です。女性ホルモンにまつわる女性特有の不調にも効能がある食材を使っていて、安心して食べられる薬膳スイーツです。クーラーなどで冷えやすい夏にも、寒さで体が芯から冷える冬にももってこいです。
子供のころから小豆を使ったスイーツ全般(あんこ、おはぎ、おしるこなど)に目がなかったのですが、白砂糖断ちしてからほとんど食べる機会がなくなってしまいました。ケーキを食べるより和菓子の方がヘルシーだと思っていた当時の私は、100gの小豆を煮るのにほぼ同量かそれ以上の砂糖が使われていると知り愕然としたものです。
でも無性にあんこを食べたくなることがあり、今まで白砂糖を使わないあんこを色々と作ってきました。小豆を麹で発酵させたり(発酵あんこ)、リンゴと煮込んだり、デーツと煮込んだり(デーツあんこ)、カボチャやサツマイモと煮込んだり。
そんな中、先日作ったなつめとクコの実の薬膳茶がとても美味しかったので、この薬膳茶で小豆を煮込んだら美味しいのではないかと思ったのです。そして色々調べてみたら薬膳ではそのようなレシピがあることを知りました。
今回は漢方キッチン阪口珠未さんの補腎あんこを参考に、小豆、なつめ、クコの実を使っておしるこ風にしました。白砂糖を使っていないのに甘くて身体にも優しいので安心して食べられるおしるこです。
女性の不調には腎のケアを
東洋医学における「腎」は単に腎臓のことだけではなく、泌尿器・生殖器・内分泌系(ホルモン)の機能に関わります。女性の場合は卵巣機能、女性ホルモン、生理、妊娠、更年期の症状などに密接に関わってきます。
また老化とも関係があります。腎のエネルギーは先天的にもっている生命エネルギーでもあり、私たちはそのエネルギーを使いながら生きていきます。生活の不摂生や加齢によってエネルギーは目減りしていきますが、腎のエネルギーをチャージする食習慣、生活習慣を送ることで若さを保つことができます。
腎には赤や黒など色の濃い食材が良いとされています。今回のレシピで使う小豆、なつめ、クコの実はどれも腎に良い食材で、このような効能があります。
- 小豆:利尿作用、むくみ、解毒作用、疲労回復、便秘解消
- なつめ:健胃、強壮、補血、鎮静、消化不良、抗ストレス、抗不安、36種類のミネラル
- クコの実:眼に良い、抗酸化作用、20種類以上のビタミンミネラル
※阪口珠未著「老いない体をつくる中国医学入門」参照
材料
小豆 100g
なつめ 50g(4個)
クコの実 30~50g(大さじ3~5):クコの実がない場合はデーツやレーズンなどお好みのドライフルーツで代用可能です。ドライフルーツを使わない場合は黒糖でも良いです。
水
作り方
小豆、なつめ、クコの実、水をお鍋に入れ、1時間~ひと晩浸水する。
下の写真は材料を一晩浸水したものです。なつめとクコの実がすでに水を吸収しています。小豆を煮る時間が短くてすむのと、なつめとクコの実からしっかり味が出るよう、私は一晩浸水します。
お鍋を火にかけ、小豆が柔らかくなるまで煮込みます。水が少なくなったら随時追加します。
20~30分ほどしてなつめが柔らかくなったら種を取り除き、なつめをペースト状にします。私はお鍋のなかでなつめを潰すこともありますが、塊が気になる場合はなつめをお鍋取り出してしっかりペースト状にしてからお鍋に戻すと良いと思います。
小豆が柔らかくなるまで引き続き煮込みます。小豆が柔らかくなったら完成です。
なつめと小豆の甘い香りが漂ってキッチンに充満するので待ちきれない気持ちを抑えつつ、私はなつめとクコの実のからの甘みがしっかり出るよう、1時間半~2時間ほど煮込みます。
このなつめとクコの実のおしるこは、
- 薬膳を手軽に取り入れられる
- 薬膳スイーツ
- 砂糖不使用、砂糖なし
- マクロビ
- グルテンフリー
- ヴィーガン
のヘルシースイーツです。
なつめとクコの実のおしるこ
材料
- 小豆(乾燥) 100g
- なつめ 50g
- クコの実 大さじ3~5(30~50g)
- お水
作り方
事前準備
- 小豆を洗いしっかり水を切る
- なつめに切れ目を入れる(または細かく切ってもOK)
- 全ての材料(小豆、なつめ、クコの実、水)を容器に入れ、最低1時間~ひと晩寝かす
小豆を煮る
- 全ての材料(小豆、なつめ、クコの実、水)をお鍋に入れて煮こむ
- 数十分してなつめが柔らかくなったら鍋から取り出し、潰して鍋に戻す
- 水が足りなくなったら適宜加える
- 小豆が柔らかくなったら完成です(私は1~2時間煮込みます)