ホールフーズマーケットが発表した2022年の食トレンドトップ10を元に、アメリカにおけるプラントベースの食トレンドをご紹介します。
今回7回目となるホールフーズによるトレンド予測は、ホールフーズのバイヤーや外部の専門家など50名によって選定された項目ということもあり、2021年の記事で紹介したトレンド予測もかなり正確だったという印象があります。私もひよこ豆粉など色々と試してみました。
2020年のパンデミックにより在宅時間が長くなったことで、消費者の食品の購買行動も大きく変化し、食品業界もそのニューノーマルに対応するようになっています。消費者はより健康効果が見込める食品(機能性飲料など)や、身体に良い食品を求めるようになっているという流れは変わらずのようです。
1.超都市型農業
都市型農業(Urban Farming)とは、ニューヨークのような大都市の中(およびその周辺)で、植物を生産、製造、流通をさせる農業のことです。
ホールフーズのブルックリン店では、屋上のグリーンハウスで育てた新鮮でサスティナブルなハーブやサラダが提供されています。ハイドロポニックスやアクアポニックス(※)といった農業の技術革新により、大都市のビルの室内や屋上で育てられた新鮮な食材を手にすることができるようになっています。
パンデミックの影響もあり、消費者はよりローカルな商品への志向性を高めており、2022年はハイパーローカル化(超地元密着型)や、効率化が更に進んでいきそうです。
※ハイドロポニックス(水耕栽培)とは土を使わず水で植物を栽培する方法、アクアポニックスとは、水耕栽培と水産養殖を組み合わせた循環型有機農法のことです。
2.柚子フレーバー
日本ではおなじみの柚子ですが、アメリカでは他のシトラス系の果物に比べるとマイナーな存在。でもドレッシング、マヨネーズ、炭酸アルコール飲料などに使われるようになっています。レストランでも、スープや野菜、麺や魚に柚子のフレーバーを加えたりしています。
3.リデュースタリアニズム
リデュースタリアニズム(Reducetarianism)とは、地球環境や健康のために、肉類、乳製品、卵などの動物性食品の消費を極力減らそうとする考え方です。Brian Kateman (非営利団体Reducetatrian Societyの社長兼共同創始者)が2015年に提唱しムーブメントになりました。
動物性食品の摂取を完全に排除するわけではないものの、積極的に減らそうと試みることを指します。動物性のものを「食べる or 一切食べない」というゼロイチ思考ではなく、リデュースタリアニズムには、ヴィーガン、ベジタリアンなど、植物性食品の消費を減らそうとする全ての人を含みます。
ホールフーズによると、リデュースタリアン(Reducetarian)が動物性食品を選ぶ場合は、グラスフェッド(牧草肥育)の牛肉や、牧草で育てられた鶏の卵などを優先するそうです。
4.ハイビスカス
ビタミンCが豊富で、甘みと酸味が融合したハイビス。ハイビカスティーを飲んだことがある方は多いかもしれません。でもお茶だけではなく、甘くて酸味があるハイビスカスのフレーバーを、パンに塗るスプレッド、ヨーグルト、プロテインパウダーなど多くの商品へ展開するようになっています。
5.ノンアルコール飲料
2021年はノンアルコール飲料が記録的に販売を伸ばしていて、2022年もこの傾向が続きます。
在宅勤務が続き、一日中ハッピーアワー♪という方もいるかもしれませんが、お酒は飲めるけど敢えて飲まない「ソーバーキュリアス(Sober-curious:Sober=シラフ、Curious=関心がある)」な人たちが増えています。背景には健康やマインドフルなライフスタイルへの志向があります。そういう人たちも楽しめる、ジン、ラム、テキーラ、ウィスキーなどの代替になる様々なノンアルコール飲料が増えています。パッケージもお洒落なものが多いです。
6.環境に配慮した穀物の再来
土壌の健康を促進する農法で育てられた穀物が大注目されそうです。穀物は適切に栽培されなければ土壌を汚染したり破壊したりすることがあるため、よりサスティナブルな方法で栽培されたものが求められているということなのでしょう。
ホールフーズによると、カーンザ(Kernza: 非営利団体The Land Instituteが開発した、甘く、ナッツのようなフレーバーがあり、長い根を持つ多年生穀物)は土壌の健康を助ける穀物だということ。シリアルやビールなども使われている穀物に注目して、より地球に優しいものにトライしてみても良さそうです。
7.ひまわりの種
ひまわりの種は、トレイルミックスに入っているだけではなく、サンフラワーシードバター(ひまわりの種のバター)、クラッカー、アイスクリーム、クリームチーズなど、色々なもの材料として使われるようになっています。
ひまわりの種は、タンパク質と不飽和脂肪酸を豊富に含み、ナッツアレルギーがある方にはナッツの代替品にもなりますし、お子さんのお菓子としても安心です。
丁度先日、サンフラワーシードバターの作り方を掲載したばかりですが、スムージーやケーキ作りなど色々なものに使うことができてとても重宝しています。
8.モリンガ
モリンガは「奇跡の木」と言われるほど豊富な栄養を含み、インドやアフリカなどでハーブ療法として使われてきました。
アメリカでは、近年人気を誇っていた抹茶の代替品として、モリンガが注目されています。モリンガパウダーをスムージーや焼き菓子などに入れたり、プロテインバーなどに使われたりしています。
ただ、厚生労働省から、妊娠中または妊娠の可能性のある方は摂取を控えるようにという通達が出ていますので、対象の方はご注意くださいね。
9.健康効果がある発砲飲料
ただ美味しいだけではなく、健康効果が見込める発砲飲料の人気が高まります。
健康効果が期待できる発砲飲料といえばコンブチャが人気でしたが、プロバイオティクスを含むソーダや、プレバイオティクスを含むトニック、オーガニックのスパークリングウォーターなど、色々な機能性発砲飲料が出てきます。
ただ、機能性食品だからヘルシーということではないので、余計な砂糖や添加物が入っていないかしっかり確認してくださいね。
10.ターメリック
ターメリックは昔からアーユルヴェーダや薬膳で使われてきたものなので、今更?と思うかもしれません。確かにスパイスやサプリメントとして使われるターメリックは新しいものではありませんが、グラノーラ、ザワークラウト、アイスクリームなど様々な加工食品に使われるようになっています。
私もスムージーや手作りアイスクリームなどに加えて、気軽に楽しんでいます。