先日大腸内視鏡検査(コロノスコピー/Colonoscopy)を受けました。その際の体験談を踏まえ、失敗談や事前にやっておけば良かったことなどを書いています。アメリカ/ハワイで大腸内視鏡を受ける方の参考になればと思います。

ハワイでは45歳から保険適用で大腸内視鏡検査が受けられるようになりました。10年に1回のペースで内視鏡を受けることが推奨されています。
それもあってか、ハワイでは便潜血検査(検便)は日本に比べるとあまり実施されていないように思います。内視鏡であればほぼ大腸がんを発見できますが、便潜血検査で陽性だった場合、精密検査で大腸がんが見つかる確率は2〜3%と言われています。便潜血検査は簡易で安価であるというメリットがある反面、大腸がんがあっても陰性になったり、痔など他の出血でも陽性になるため、精度は低いというデメリットもあるのですよね。
そのため個人的には、毎年便潜血検査を受けて、陽性になって精密検査まで不安になって過ごすより、定期検診で10年に1度大腸内視鏡を受ける方が安心感があるように感じました。ただ身体への負担や金銭的な負担は大きいというデメリットはあるので、どちらが良いとは一概には言えませんが。
内視鏡の検査自体は麻酔をするため痛みもなく、あっと言う間に終わります。でも私は4リットルの下剤を飲むのがあまりにも辛かったため、定期検診以外ではできるだけ内視鏡を受けなくて済むよう、今まで以上に普段の食事や運動などで健康管理に励もうと思いました。
それでは、内視鏡検査を受けるまでの流れを書いていきます。
事前問診
大腸内視鏡を受ける前に、問診のためにクリニックを訪問します。
基礎疾患(腎臓、心臓、肺、糖尿病など)がないか、妊娠中ではないか、飲んでいる薬の有無、アレルギーがないかなどの確認を行います。
検査前日
検査前日は絶食かつ下剤を飲み始めます。腸に残留物があると検査がやりなおしになることもあるため、腸内にあるものをしっかりと出し切る必要があります。やることは非常にシンプルで簡単です。
絶食
検査を受ける前日の朝から固形物を食べてはいけません。また色がついた飲み物は不可です。医師の指示によりますが、私が受けたところではこのような指示がありました。
- 食事(固形物)
- 牛乳、乳製品
- 赤色や紫色の飲み物
- アルコール
透明な飲み物のみ摂取可能
- アップルジュース
- お茶、紅茶、コーヒー(ミルクやクリーマー不可。砂糖OK)
- チキンブロス/ビーフブロス
- ジンジャーエール
- レモネード
- ビタミンウィオーター
- アイスキャンディー
下剤の半分を飲む
4リットルの下剤のうち、2リットルを2時間で飲みます。夕方18時~、15分置きに240㎖を飲みます。
下剤はPEG 3350 AND ELECTROLYTES(電解質溶液液体)を処方されました。ぬるま湯を入れて4リットルの下剤を作ります。
クリニックによってやり方は異なり、前日に全て飲み切る場合と、前日に半分、当日に残りの半分飲むなどのやり方があります。私は後者でしたが、不味いポカリスエットのような味ととろっとした触感が気持ち悪く、何度も吐きそうになりました。すごく身体に悪そうなものを身体に入れている。。。という意識が余計にそうさせたのかもしれません。
アメリカ人と日本人の私では体格も違うのに4リットルも飲む必要があるのかと不満に思いながら、腸内が空っぽにならないとやりなおしになると言われていたので、それだけは避けたいという思いだけで飲み切りました。途中でお腹が痛くなったりすることはありませんでした。
腸を空っぽにする
下剤を飲み始めて1時間ほどしたころから便意があるようです。でも私はなかなか便意が起こらず焦りました。

検査当日
残りの下剤を飲み切る
朝6時~8時までの間に、15分置きに240㎖(計8杯)を飲み切ります。8時以降は飲み物も禁止です(水もダメ)。固形の便が出なくなり、透明または黄色い液体のみになるまで便を出し切ります。最後の方は10分に一度くらいトイレに駆け込むことになるので、女性ならワンピースを着ておくと着脱しやすくて良いと思います。
チェックイン
検査の1時間前にクリニックにチェックインします。検査用の服に着替え、看護婦さんから問診を受けます。下剤は飲み切ったか、固形物は食べていないか、薬やサプリメントはいつ取ったか、基礎疾患はないかなど。3~4個くらいの書類にサインしました。血圧、脈拍、体温測定もありました。
検査開始
控室にあるベッドに横になり、脱水症状を防ぐための点滴をつけられました。ベッドに寝たまま検査室へ運ばれました。検査室ではゆるくハワイアンミュージックが流れていてなんともハワイらしい。おかげでリラックスできて良かったです。
鼻に酸素注入用のマスク、胸に心電図を測る装置、指に酸素濃度を測る装置を装着。手術でもするかのような大掛かりな対応にすこしビビりつつ。。左側を下にして横になり、「麻酔を打ちますね」と言われた後すぐに記憶がなくなりました。
目が覚めたらもう終わっていました。楽しそうにおしゃべりしながら片づけをしている看護師さんたちの声で目がさめ、医師はもういませんでした。
ベッドに寝たまま待機室に運ばれ、お水をもらいました。血圧などを測り、問題がなければ終了。迎えの人が来るまでここで待ちます。麻酔後なので運転は禁止。誰かに迎えに来てもらわなければ1人では帰らせてもらえません。
ちなみに内視鏡で撮った腸内の写真(12枚)をもらいました。何も問題がないからくれたのか、問題があってもくれるのかは分かりませんが、何かあった時に写真だけもらったらかなり不安だっただろうなと思います。
失敗談とやっておけば良かったこと
検査の準備をするにあたり、事前にやっておけば良かったと思うことがありました。
また次回やることになった時のための自分のための備忘記としても残しておきたいと思います。
1.下剤は一気に飲むこと
15分置きに240㎖の下剤を飲むのですが、240㎖を一気に飲んだ方が下剤の効果が出やすいそうです。私は下剤の味が受け付けられずちびちびと飲んだため、飲み切るのに倍近い時間が掛かってしまいました。そのせいかなかなか便意をもようさず、排泄するのに非常に時間が掛かりました。
2.食事の事前調整
便秘気味の人や普段から食物繊維をたくさん含む食事をしている方は、前日の絶食だけでは排泄するのに時間が掛かる可能性があります。そのため前もって食事の調整しておくと下剤の効果が出やすいと思います。私はクリニックの指示通り前日の絶食だけしかしませんでしたが、その後調べてみると、検査の5日ほど前から食物繊維を多く含む食事(野菜、果物、海藻、玄米、キヌア、ナッツなど)を控えた方が良いと指示しているクリニックもありました。これらは普段から食べているものばかりなので、少しでも量を減らしておけばもう少し排泄が楽だったかなと思います。
3.検査後の食事の準備
検査を受けた後は普通通りに食事できると言われていたのですが、私は翌日まであまり食べられませんでした。胃腸が弱い方は、内視鏡を受けた後に食べられる消化の良い食べ物(果物やスープなど)を用意しておくと良いと思います。もちろん食欲がなければ無理して食べる必要はありません。
費用
支払った費用は保険適用後で600ドルほどでした。
事前問診、検査、検査結果の訪問費用を含めての金額で、金額は加入している保険やプランによって異なります。